ひっかかりごと。

日常生活で引っかかったことを綴ります。

ヒーローの資質

子供の頃、何となくピンチが来たらヒーローが現れて絶対助けてくれると思っていた。でも物心ついた頃には、なにがあってもどこにいても駆けつけてくれるヒーローなんて、いないことがわかってしまった。

だったら自分がヒーロー(むしろヒロインか)になればいいじゃん、とも思ったが体育の成績が限りなく1に近い運動神経ゼロの人間がマーシャルアーツをやったところで、『キルビル』のユマ・サーマンみたいになれるはずがない。

だけど、大人になってからはヒーローの資質というものは何も力の強さに限らないのだと思うようになった。

今回のパリのテロ事件で奥さんを失ったというジャーナリストのアントワーヌ・レリスさんは、個人的にヒーローだと思う。

パリ同時テロ 遺族の手紙に共感広がる NHKニュース

「君たちに憎しみあげない」テロ遺族FB文章に共感の輪:朝日新聞デジタル

Antoine Leiris : les terroristes n'auront "pas ma haine" | France info

かけがえのない大切な家族を奪われても、犯人を決して憎まないという。とても強い人だと思う。

憎しみを抱くことは、テロリストの思う壺。だから、憎しみを忘れて幸せに生きることが、本当の意味でテロをなくすことに繋がるのかもしれない。

テロを受けた側が報復だの制裁だの言い出すと新たに血を流すことになり、結果として憎しみを増幅させ、再びテロを引き起こしてしまう。テロをなくすためにすべきことは、「テロに屈しない」ことではないのかもしれない。

それにしても、妻を亡くしてまだ間もないのに、そんなことを言えるってすごい。自分だったらとてもそうはいかないだろうな、頭ではわかっていても。きっとレリスさんだって人間だから悲しいし憎い気持ちもあると思うけど、真に賢い人だから自分を律することができるのだろう。その強かでしなやかなエスプリを尊敬します。